外壁にあるクラックは大丈夫?そのままにしてしまう危険性と補修方法
投稿日:2022.1.31
ふと見たら外壁のところにひび割れが……
外壁にひび割れが入ってても大丈夫かな、と不安に感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ひび割れのことを建築用語ではクラックと呼んでいます。
クラックが生じると水の侵入口となり、建物にさまざまな不具合を起こしてしまう恐れがあります。
ここではクラックとはなにか、どんなリスクがあり、どんな補修が必要になるかを解説していきます。
【クラックとは?】
クラックは外壁や基礎、内壁に生じる亀裂(ひび割れ)を指します。
クラックが入ってしまうのは色々な要因があり、地震などの建物の揺れ、地盤沈下、経年劣化、施工不良などがあります。
クラックがよく見られるのは、モルタルやコンクリートの外壁です。
モルタルやコンクリートは硬い素材のため、建物の揺れに対して追従できずクラックが入ってしまうことも。
クラックは損傷の程度により分類されていて、以下の種類があります。
【構造クラック】
幅0.3mm以上、深さ5mm以上のクラックは構造クラックと呼びます。
構造クラックは損傷が大きく、建物の内部までヒビが入ってしまっているため、構造に影響を与えてしまっている恐れがあります。
外壁の損傷は耐震性の低下が考えられますので、なるべく早めに対処することが大切です。
【ヘアークラック】
幅0.3mm未満、深さ5mm未満のクラックはヘアークラックと呼び、損傷は軽微なものとされています。
ヘアークラックの場合だと、損傷は表面で止まっていることが多く、外壁の下地にまでは被害が及んでいません。
よく見られる症状は塗膜のひび割れがあり、これは太陽の紫外線が影響して塗膜が劣化したため起きます。
建物の構造に影響はありませんが、水の侵入口となってしまうため、塗装が剥がれる原因になります。
【クラックの発生箇所】
クラックは外壁の平面のところだけではなく、開口部(窓や玄関など)付近も生じやすいため注意しましょう。
開口部のところは外壁を切り抜いた形となるため、建物の揺れに対して負荷が大きく亀裂が入ってしまいます。
注意しておきたいのが、窓は雨を外側に逃す構造となっているため、クラックがあると窓から流れてきた水がクラックのところまで伝っていき、建物内部へと入ってしまいます。
建物内部に水が入ってきてしまうと構造体の腐食やシロアリ被害に合う恐れがあります。
当社は無料で建物診断を行っております。
建物を維持していくためにも雨漏りを起こす前に対処しておくことが大切ですので、疑わしいところがある場合は、すぐに点検を実施することをお勧めします。
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【クラックがあることのリスク】
外壁にクラックがあることは、決して放置していいものではありません。
もし、クラックが確認できるのなら早めに対処しておくことが大切です。
ここではクラックがあることのリスクについてお伝えしていきたいと思います。
【構造体の劣化、腐食、爆裂】
外壁には防水シートが張られていて構造体があるところまで水が浸透していかないように防いでいますが、それも完璧なものではありません。
水や湿気に触れやすくなることで防水紙の劣化が早まり、いずれは水が染み込んで構造体を濡らしてしまうでしょう。
木造住宅だと柱や土台が木材のため、水に濡れると腐食してしまいます。
また、鉄筋コンクリートは水が染み込んでいくと鉄筋が錆びてしまうばかりか、錆びた鉄筋が膨張してコンクリートを破損してしまう(爆裂)ことが起こります。
構造体が痛むと耐震性が低下し、地震に弱い建物となってしまいますので、構造体を濡らさないようにちゃんと防水が保たれている状態を維持しておかなければいけません。
【雨漏り、シロアリ被害】
雨漏りは建物の耐久性を落とすばかりか、部屋にまで水が流れてくるため生活に支障をきたしてしまいます。
屋内には電気配線がありますので、雨漏りするとショートする恐れも。
天井や壁から滴ってきた水がテレビなどの家電を濡らすと故障してしまいます。
また、雨漏りするとシロアリを寄せ付ける要因にもなります。
シロアリは木材を餌としていますので、木造住宅だと柱や土台などの構造体を食べられてしまいます。
構造体に被害を出してしまうと修理するにも解体が必要になり、修理費用の負担が大きくなります。
【クラックのメンテナンス方法】
ヘアークラックと構造クラックでは補修方法が異なります。
以下に各クラックの補修方法を解説します。
【ヘアークラック】
塗膜で止まっているヘアークラックは、フィラーなどの下地調整剤を塗布することでクラックを埋めることができます。
ただし、弾性塗料を使う際は、外壁材がサイディングだと蓄熱性の問題から使用は避けた方がいいでしょう。
サイディングは内部に熱を溜めてしまう性質があり、弾性塗料によって熱の逃げ場がなくなり、塗膜の膨れや剥がれを引き起こします。
下地や外壁材にクラックが入っている場合は、弾性塗料の他にコーキングを充填することが可能ですので、状態や素材に適した補修方法をとることが大切です。
【構造クラック】
構造クラックは奥にまでヒビが入ってしまっているため、表面だけ直しても意味がありません。
構造クラックを直すときは、ディスクサンダーを使用してUカットまたはVカットして補修します。
ヒビのところまで外壁をカットし、そこにコーキングや樹脂モルタル、エポキシ樹脂などを充填します。
補修跡が残りますので、補修後は全体的に塗装することをお勧めします。
クラックを補修したところの塗装は追従性を持たせておかないとひび割れてしまうため、フィラーなどの弾性塗料(サイディングを除いて)を塗布しておくといいでしょう。
どれくらいのクラックなのか細かく判断するのは中々難しいものです。
構造や耐久性に関わることでもありますから、自分だけで判断するのではなく、専門業者に依頼して点検してもらうことをお勧めします。
現在ではDIYが流行ってますが、適切なメンテナンスを行なっていくためには専門的な知識と技術が必要です。
構造や防水とは関係ない場所ならいいですが、クラックは建物に与える影響も大きいため、クラック補修はDIYで行わずに専門業者にちゃんと直してもらうことをお勧めします。
クラックについてはこちらの「下地調整の重要なポイント2 ひび割れ、クラック補修(外壁)」もぜひご参考にしてください。
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